杉本達治福井県知事に聞く! 福井で働き暮らす魅力|福井就職応援サイトfun!2023

幸福度ランキングでは、5回連続総合1位の福井県。この結果は、全国トップレベルの〝働きやすさ〞と〝暮らしやすさ〞が大きく影響しているが実際はどうなのか。杉本達治福井県知事が考える実情と今後の方向性は?



福井県知事
杉本達治 さん

PROFILE
岐阜県中津川市生まれ。東京大学卒業後、自治省(現:総務省)に入省。長野、徳島、山形にも赴任し、2004年、福井県総務部長に。2013年に福井県副知事となり、2019年、福井県知事に就任。趣味はウォーキングとパン作り。


人生をトータルで考えたらやっぱり福井?

働きやすく暮らしやすい将来の子育て・教育も安心!!

福井県は「幸福度日本一」を誇り、労働・生活環境でも高い水準を維持しているが、その理由は何だろうか。岐阜県出身で大学卒業後は総務省に勤務、全国各地に赴任してきた杉本達治福井県知事だからこそ感じている、「福井で働き・暮らすことの魅力」についてお話を伺った。

「〝働く〞ことは〝暮らす〞ことでもあります。学生時代には都会の刺激的な生活が魅力的に見えますが、就職を考える際には、結婚、子育て、老後など、今後のライフステージを意識しながら、自分のこれからの『人生100年時代』をどう過ごすのかを考えるべきです」。

民間調査機関「日本総合研究所」の「全47都道府県幸福度ランキング2022年版」において、福井県は5回連続の総合1位を獲得。調査で特に評価されたのは、「仕事」と「教育」の分野だ。福井県は、若者の完全失業率や大卒者進路未内定者率、不登校児童生徒数の割合が低く、子どもの学力は全国トップクラス。つまり、若者や女性を含めた雇用が非常に安定していて、子どもが健全に成長できる教育環境が整っていることを示している。

「将来の働き方に深く関わってくる結婚と育児。福井県では、共働き世帯の割合や育児をしている女性の有業率は全国トップクラスです。 働きながらの子育てに必要となる保育で、福井県の待機児童はゼロ。 さらに福井県では、『子育て負担を もっと軽く』『子育てをもっと楽し く』『子育てをもっとお得に』を柱に、 手厚い子育て支援を行っています」。

杉本知事が話すように、福井県では、すべての世帯が働きながら安心して子どもを産み育てることが できるよう、社会全体で子どもを育てる支援策の充実がある。例えば、 従来は第3子から実施していた保育料の無償化を第 子にも拡大中。 特定不妊治療費の助成制度も日本一に拡充済み。他にも、天気が悪い日でも子どもが思い切り遊べるよう、 全天候型の遊び場を各市町に整備する予定だ。さらに、子育て世帯がお店で割引・優待サービスが受けられる「ふく育パスポート」「ふく育割」を発行している。

「豊かな自然をはじめ、恵まれた環境でのびのび育てられることから、 子どもの学力や運動能力は全国上位にランク。学校教育現場の先生方も非常に熱心で、きめ細かな指導により、一人ひとりの個性が輝く教育を進めています。今後も〝日本一幸福な子育て県『ふく育県』〞として、若い世代や子育て世代から選ばれる福井県を目指します!!」。



福井では「当たり前」が、都会から見るとスゴイ!

マイホームや暮らしの環境 都会にはない魅力がある。

東京では夫婦揃ってフルタイムでの勤務が難しいかもしれないが、福井ではそれが可能。実際、福井と東京の60歳までの家計を比較すると、福井の方が3000万円得になるという試算もある。地価も手頃なため、憧れのマイホーム購入も夢ではない。

「福井では20代から家を建てる人も珍しくありません。広々とした間取りなら子育てもしやすく、ゆとりある生活を送ることができます。暮らし方はどんどん多様になり、福井の若い人たちは自分らしいライフスタイルを楽しんでいます。人生をトータルで見ると、福井で暮らさない理由が見つかりません」。

ただ、その利点は住んでみないとなかなか分からないことも確か。そこで県では、福井で暮らす魅力をさらに発信しようと「都会が嫉妬する県」をコンセプトに、遊びや暮らしを切り口にしたポスターを作成。内容は「スーパーがスーパー。」「満員電車、なし。」「ド近所がアクティビティ。」「畑がデフォルト。」「保活不要。」の5種類。

「都会で特別なことが福井では日常にあること」をPRすることで福井で暮らす魅力を発信中。福井と東京での平均通勤時間の差による自由時間の違いを示した福井移住のWeb広告も展開している

また、「通勤」に焦点を当てると、福井の場合、家と職場の距離が近いため、往復の平均通勤時間は約60分だが、東京の場合は約90分。通勤時間の差だけで、東京よりも福井で暮らす方が、年間約143時間も自由な時間が生まれるということになる。

「どれも福井では当たり前ですが、これこそが都会にはない魅力です。福井で安心して暮らし働きながら、豊かで自然にあふれたライフスタイルを満喫してください」。


若い力を福井へ!! 充実の県内外就活生サポート。

福井県では、UIターンを希望する学生向けの支援も充実している。その一つが就活で一番負担がかかる交通費の補助。例えば、東京で学ぶ学生が福井で就活をする際には、東京・福井間の交通費のうち最大1万4000円を補助する。年2回までだが、1年生から利用できるので、4年間のトータルでは約11万円にもなる。

県外出身者を含めた社会人のUIターン者は年々増加しています。新卒学生のUターンにも力を入れています!


「1年生から就活というと気が早いと思うかもしれませんが、就活には場慣れ、とりわけ社会人と話をする経験が大切です。そこで県では、学生と若手社会人とが話をする交流会も開催しています。若い方同士ですので気分的なハードルは高くないですし、若手社会人だからこそ気付く社会のことを共有してもらえるのは、学生の皆さんにとっても発見が多いだろうと思います」。

この学生が県内の若手社会人に直接相談できる「就活先輩サポーター」制度には、現在、県内企業240社、1000人以上の若手社員の登録がある。さらに県外学生の、福井の企業の情報が入手しにくいという悩みを受け止める相談機関として、福井、東京、大阪、京都、名古屋に『福井暮らすはたらくサポートセンター』を設置。福井駅東口のアオッサには『Fスクエア・キャリアナビセンター』という施設を設け、就活に役立つセミナーを随時開催している。

「就活を進めていくと、就活の進め方が分からない、福井の情報が知りたいといった、いろんな悩みも生じてくるものです。県では、さまざまな支援で学生の皆さんの就活を全力で応援していますので、ぜひ活用してください!!」。

『Fスクエア』では就活について何でも相談できます!

ベンチャーにチャレンジしやすいって本当?

世界的技術の企業やベンチャー 若者活躍の舞台は大きく広がる。

帝国データバンクの調査によると、福井県は社長輩出率が1.37%と全国トップとなっている。福井県は調査を始めた1982年以来、38年連続でトップを維持。県内には、小さくても技術開発に力を入れる独立心旺盛な企業が多く、繊維や眼鏡、機械などの基幹産業を支える「ものづくり技術」の蓄積があると杉本知事は言い切る。

「本県には、世界シェアナンバーワンの企業が14社、国内シェアナンバーワンが45社もあります。航空・宇宙分野や大規模な工場現場からスマートフォンなどの身近な生活の道具まで、さまざまな場面で県内企業の技術や製品が使われています。厳しいビジネスの世界では大企業も苦戦しているなか、福井の企業はしっかりと勝ち残っています。福井の企業に就職することで、若いうちから世界を舞台に活躍することもできるのです」。

さらには、新産業の創出や起業家・ベンチャー企業の育成にも力を入れている。IT関連企業、都市部企業の本社機能やサテライトオフィスを福井に誘致していることはその一例だ。

福井発ベンチャー企業の事業拡大をサポート!

「企業誘致については、考え方を〝量から質〞に転換しています。投資額、雇用人数などの規模を重視するだけではなく、給与などの勤務条件や働きやすい職場環境など付加価値の高い若者に魅力的な企業の誘致を進めています」。

このほかにも、若者が起業にチャレンジできる環境も充実させている。2022年度には若者を対象に、起業を含めた多様な働き方を推進する未来設計プログラム「Promoters」をスタートさせた。先輩起業家による講義や意見交換をはじめ、それぞれに合ったメンターとのマッチングや事業計画策定といった伴走支援など、さまざまなカリキュラムを通して、若者が起業に踏み出す一歩を後押ししている。さらに、意欲とアイデアのある県内ベンチャー企業が、県外投資家や金融機関、事業会社を前に、自社のビジネスをプレゼンテーションするイベント「福井ベンチャーピッチ」を毎年開催。都市圏に出向くことなく、地方でこのようなチャンスがある例は全国的にも珍しい。

「2022年11月に8回目の『福井ベンチャーピッチ』を開催したところ、県内ベンチャー企業に関心のある投資家や支援機関、事業会社などが、オンラインも含め約320人が参加しました。また、県内上場企業の社長を講師に招いた『福井ベンチャー塾』では、ビジネスモデルの成長に向けた具体的なアドバイスも行っています。若い皆さんには福井を拠点に自由に自分の力を発揮し、どんどん活躍していってほしいですね」。


北陸新幹線で福井はどうなる?

新幹線開業による大交流 チャンスを逃さず仕掛ける。

北陸新幹線の福井・敦賀開業がいよいよ2024年春に迫っている。橋梁などの土木工事や、駅舎などの工事がほぼ完了し、目に見えて開発が進む姿に福井県民の盛り上がりも大きい。首都圏と福井県が 新幹線一本で結ばれて利便性が飛躍的に向上するので、観光やビジネスにおける交流人口の増加など、 大きな経済効果が期待されている。

「当面の終着駅となる敦賀には、 地域住民と観光客の交流や賑わい 創出の拠点として、カフェや書店、 ホテルを備えた『TSURUGA POLT SQUARE otta(ツルガ ポルトスク エアオッタ)』が2022年9月にオープンしました。県都の玄関口となる福井駅周辺では、複数の再開 発事業が本格的に進められており、 ホテルやカンファレンスホール、商業施設などを備えた複合施設が整備される予定です」。

東京駅で行なわれた開業カウントダウンキャンペーンのオープニングセレモニー

また、東尋坊や恐竜博物館、一乗谷朝倉氏遺跡、永平寺、三方五湖のレインボーラインなどの県内観光地は、次々と再整備が行われ、その魅力をさらに増大させている。新幹線開業に合わせて開催するフルマラソン大会「ふくい桜マラソン」に向けての準備も着々と進む。

「新幹線開業は国内外との大交流が起こる、まさに100年に一度のチャンス。開業効果が県内全域に波及するよう、受入環境の整備や県外へのプロモーションを積極的に加速させていきます」。


誰もが希望を持てる これからの福井のために。

福井県の将来像や方向性についてはどのように考えているのだろう。県は2020年に〝「安心のふくい」を未来につなぎ、もっと挑戦!もっとおもしろく!〞を基本理念とした長期ビジョンを策定した。長い歴史の中で先人たちが培ってきた〝安心と信頼〞の福井をみんなで守り、次世代に引き継いでいく。その安定した社会基盤をもとに、誰もが夢や希望を持って自分らしく挑戦することができ、その行動を互いに応援し合える。そんな、さまざまなことで県民誰もがワクワクドキドキできるような、もっとおもしろい福井県を目指す。

「こうした新しい福井県を創り上げるには、特に若い皆さん一人ひとりの〝チャレンジ〞が欠かせません。可能性は無限大ですので、やりたいと思うこと、なりたい自分を思い描き、全力で突き進んでください。一緒に〝福井の未来〞を創っていきませんか。あなたのチャレンジを待っています!」。



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