自己分析シートは、転職活動を成功させるために必要不可欠なものとして、作成に取り組む人も多くいます。しかし、自己分析シートの書き方がわからない人もいるのではないでしょうか。

この記事では、自己分析シートについて詳しく解説していきます。自己分析シート作成の目的を正しく理解したうえで、転職活動に役立つ自己分析シートの作成方法や注意点などを参考にしてください。

1.自己分析シートとは

自己分析シートは、就職活動を行ううえで必要不可欠なものの一つです。自己分析シートにこれまで経験したエピソードなどを書き記していくことで、自分の特徴や得意・不得意なこと、やりがいを感じたことなどが客観的に見え、言語化されていきます。

自己分析シートは、自分がどのような企業に就くことで充実した社会人生活を送ることができるのかを具体的にイメージさせることが可能です。

就職活動は、就職が決まれば終わりというものではありません。自分に合う企業を見つけるために行う大切なものとして取り組んでみましょう。

2.自己分析シートを作成する目的

自己分析シートとは、どのような場面で役立つのでしょうか。ここでは、自己分析シートを作成する目的について解説していきます。

自分の強みや適性を理解する

自己分析シートを通して、自分の強みや適性を理解できます。自分の強みや適性を理解して就職活動を行うことで、自分が持っているスキルを生かせる企業を見つけられるでしょう。また、企業とのミスマッチを防ぐこともできるため、長く働くことができます。

自分の将来像を明確にする

自己分析シートを通して、自分の将来像を明確にできます。将来どのような自分になりたいのか、目標を達成するために企業に何を求めているのかなどが言語化されて見えてくるため、志望動機を書くときの役に立ちます。

また、明確にした将来像を面接時にアピールすることで、企業からは、前向きな姿勢であることや、自分自身の将来像を具体的に捉えていると好印象を与えることも可能です。

自分の強みや弱みを見つける

自己分析シートには、これまでの経験を掘り下げる部分があります。過去の経験を掘り下げて書くことで、自分の強みや弱みを客観的に見つけることが可能です。

また、自己分析シートによって見つけることができた強みは、入社後すぐに生かすことができるものとしてアピールでき、弱みはこれから努力すべき点として明確に表現することができるため、面接時のさまざまな質問にも柔軟に対応できます。

3.自己分析をする際のポイント

自己分析をする際には、これまでの経験をすべて洗い出して掘り下げることが重要です。ここでは、どのようなポイントを抑えて自己分析すればよいのかを解説していきます。

これまでの経験を洗い出す

自己分析を行うには、これまでの経験をまず書き出すことから始めましょう。自分にとってよいことや、充実感を得たことだけでなく、失敗した経験や、悔しい思いをした経験なども合わせて書き出していきます。

自己分析に役立つエピソードではないと思っていたことも書き出してみることで、役立つ場合もあります。これまでの経験で思い出したものはすべてピックアップしましょう。

これまでに頑張ったことの理由や動機を掘り下げる

これまでの経験を洗い出したら、その経験に紐づけて、自分で行ったことやそのときに感じたことなどを書き出しましょう。書き出すことで、頑張った経験や悔しい経験などを客観視できます。

経験に対する理由や動機は、「何かの役に立つと思ったから」、「将来のために」など、しっかりとした理由である必要はありません。「ただ楽しいから」、「好きだから」、「負けたくなかったから」などの理由でもよいです。飾らない気持ちをピックアップすることで、自分の価値観をみいだすことができ、職業選択にも役立つでしょう。

自分の長所や短所を探す

これまでの経験や理由を書き出すと、自身の特徴が見えてきます。書き出したものを客観的に見て、長所・短所を探してみましょう。

探す際には、短所には着目せずに長所を強調したいという人もいるかもしれません。また、短所しかないと呆然とする人もいるでしょう。しかし、長所と短所は、表裏一体となっていることがほとんどです。

例えば、自分は行動を起こす前に計画をしっかり立てない性格であるとした場合、短所は計画性がないことです。しかし、思いついたらすぐに行動を起こすという行動力の高さは長所といえます。

このように、短所と思える部分から長所が見つかったり、長所から短所が見つかったりなど自分自身の本質が見えます。

やりたいこと・やりたくないことを探す

自己分析の最後は、自分のやりたいこと・やりたくないことを探してみましょう。これらは仕事に関連づける必要はないため、やりたいこと・やりたくないことを思いつくままに書き出します。それぞれ書き出したら、特にやりたいこと・やりたくないことを順位付けすることで、仕事選びの参考にできます。

また、やりたいことは見つからず、やりたくないことばかり見つかることもあるかもしれません。そのような場合は、「やってみてもよいかも」と思えることを探してみることで、自分に合った仕事が見つかる可能性があります。

4.自己分析シートの作成方法

自己分析を行うための自己分析シートはどのように作成するのでしょうか。ここでは、自己分析シートの作成方法を解説していきます。いくつか方法があるので自分に合う方法を用いて自己分析シートを作成してみましょう。

作成方法①自分史

自分史は、自分の歴史を幼少時から現在までを書き出すものです。転職活動の際に自分史を書き出す場合は、学生の時代から最近までの出来事を時系列で並べてみましょう。自分史を書き出すことで、自分がどのように形成されてきたのかを歴史の人物を知るかのように客観的に知ることができます。

自分史を書き出すほど、特別な出来事は何もないとう人もいるかもしれません。しかし、実際にこの作業を行うと、さまざまな出来事を振り返ることができ、その当時の思いや考え、価値観などを垣間みることができます。

ただ起きた出来事を書くだけではなく、なぜそのような行動をとったのか、そのときどう思ったのかなどをどんどん加えていくことで、自分の性格や特徴、長所・短所、やりたいこと、やりたくないことが明確に見えてくるでしょう。

作成方法②ジョハリの窓

ジョハリの窓は、自分が知らない本当の自分を知ることができる自己分析の方法です。サンフランシスコ州立大学の心理学者であるジョセフ・ルフト氏とハリー・インガム氏の共同研究で発表されたもので、心理学で使用する自己分析モデルとして利用されています。近年では、転職活動の自己分析シートを作成する際に用いる人も多い傾向にあります。

ジョハリの窓では、人の特徴を19項目設定し、自分に該当する特徴を選びます。それと同時に自分のことを知っている人に自分に対しての印象・特徴を19項目のなかから選んでもらいます。この結果から、「自分でわかっている特徴」、「自分がわかっていない特徴」、「他人がわかっている特徴」、「他人がわかっていない特徴」の4種類に分類することで、自分が思う自分と、他人が思う自分との認識の違いを知ることができます。

自己分析は、自分自身のなかで完結するだけではなく、他人からも分析してもらうことで、より自分自身を知ることにも繋がることから、ジョハリの窓を使用した自己分析はおすすめです。

作成方法③マインドマップ

マインドマップは、自分の思考を紙に書き出し、可視化することで自己分析ができる方法です。マインドマップは、頭の整理がつかない人におすすめです。

マインドマップのやり方は、まず自分の名前を主題として紙の中心に書きます。次に、性格、好きなこと、嫌いなこと、つらかったこと、将来の夢、やりたいことなど深堀していくテーマをいくつかピックアップします。それぞれのテーマについて思いつくままに書き込み、書き終えたらそのテーマをまとめましょう。テーマのまとめを行うことで、自分の価値観が見えてきます。

マインドマップの結果をもとに仕事選びをすることで、自分に合う企業が見つかるでしょう。

5.自己分析を行うにあたっての注意点

さまざまな方法で自己分析ができますが、自己分析を行うにあたっての注意点があります。特に転職活動を行う際の自己分析で注意すべき点について解説します。

ありきたりな言葉は言い換える

自己分析の結果によって見えてきた自分自身の長所や短所、性格、特徴などはありきたりな表現を行わず、必ず自分の言葉に言い換えましょう。

特に面接で長所や短所を聞かれた際に、面接官はありきたりな言葉は聞きなれているため、印象には残りません。そのため、よい印象を与えるために、自分の言葉で言い換えて答えましょう。

短所はプラスに捉える

自己分析で現れた短所や失敗経験は、ポジティブな方向に転換しましょう。面接では、これまでどのような失敗を経験したかと質問されることもあります。この質問は、失敗の有無を問うものではなく、失敗したときにどう対応するのか、素直に謝罪することができる誠実な部分があるかを確認するために行われます。

そのため、「失敗したことはありません。」とその場を取り繕うのではなく、失敗や短所をどう克服することができるのかをポジティブに表現することが何よりも大切です。

6.まとめ

自己分析は、転職活動を行ううえでとても重要なものです。自己分析を行う際には、自分が使用しやすい自己分析シートを活用して行いましょう。自己分析を行うことで自分では気が付かないような長所や短所、特徴を発見することができ、その発見が新たな職業選択に繋がることも多いです。

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