転職をする際、多くの場合は面接を受けることになります。面接は自身の実績やスキルを紹介する場面であり、転職活動の中でも重要です。
では、転職面接での自己紹介ではどんな項目を伝えたらよいのでしょうか。また、面接でのNG行為はあるのでしょうか。
本記事では、転職面接で伝えるべき事柄やNG行為について解説します。現在転職面接の対策をしている方はぜひ参考にしてください。
Contents
1.転職の面接の自己紹介で伝える項目
転職の面接の自己紹介で伝えるべき主な項目は以下のとおりです。
- 名前
- 前職(現職)の業務内容
- 前職(現職)での実績や獲得したスキル
- 志望動機・志望理由
上記の項目は、基本的にどんなシーンでも伝えることになるため、それぞれのポイントを覚えておきましょう。それでは、1つずつ解説いたします。
名前
面接を受ける際には、必ず自分の名前を面接官へ伝えるようにしましょう。履歴書などの提出書類に記載していたとしても同様となります。
面接官へ名前を伝える理由としては以下が挙げられます。
- マナーが守られているかを確かめるため
- 自分の順番で合っているかを確認するため
名前を伝えるタイミングとしては、用意されている椅子の前に立った際がよいでしょう。ドアの前で伝えるのは誤りとなるため、注意が必要です。
名前の伝え方としては「○○と申します」のみで問題ありませんが、併せて「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶を添えることでよい印象を与えることもあります。なお、在職している場合、勤務している会社や所属部署などを伝える必要はありません。
名前を伝えるときは、お辞儀をしながらではなく、名前を伝えた後にお辞儀を行うのがマナーとなります。
前職(現職)の業務内容
面接の際には、前職もしくは現職の業務内容についても質問を受ける場合があります。質問された内容について、きちんと回答すれば基本的に問題はありません。前職だけでなく、これまでの職歴についても尋ねられる可能性があるため、質問を受けても問題ないよう、回答できるように備えておきましょう。
なお、面接官が前職や現職について尋ねる理由は以下のとおりです。
- これまでのキャリアを知りたい
- 前職や現職で活かせることを知りたい
- なぜ前職を辞めたのかを知りたい
- 仕事に対する姿勢を見たい
- 転職者について知りたい
前職や現職について伝える際は、以下のポイントを意識するようにしてください。
- 仕事に対する考え方
- 転職先の仕事に活かせること
- 前職や現職での印象的な出来事
面接官も粗を探そうとしているのではなく、今後一緒に働くことになった場合を想定して、仕事への取り組む姿勢を確認するために聞いていることがほとんどです。そのため、包み隠さず正直に話すようにすることが大切です。
前職(現職)での実績や獲得したスキル
前職や現職など、これまでの実績や獲得したスキルは、正確に伝える必要があります。理由として、以下が挙げられます。
- 職歴を知りたい
- 応募者のスキルを知りたい
- 前職の実績やスキルを転職先の仕事でどう活かせるかを知りたい
なお、実績やスキルを尋ねられているからといって、自身の実績やスキルのすべてを伝える必要はありません。転職先で活用できるものや自身の中で最も有力なものをピックアップすることが重要です。
しかし、前職や現職での実績をただ連ねて発言するだけでは自慢になってしまう恐れがあります。
面接官が実績やスキルを聞く理由から判断できるとおり、面接官は自慢ではなく実績やスキルを自社でどのように活かせるかを確認したいと考えています。そのため、実績やスキルを伝える際には、併せて「こういったスキルが役に立つのではないか」と自身の考えも伝えるとよいでしょう。
志望動機・志望理由
志望した会社や業種などをなぜ転職先として選択したのか、理由を伝えます。
面接官が志望した動機や理由を尋ねる意図はさまざまです。しかし、ほとんどの場合は以下が当てはまるでしょう。
- 転職先が自社である理由を確かめるため
- すぐに辞めない社員を探しているため
- 応募者の熱意を確かめるため
志望動機と上記を絡めて伝えることができると面接官から好印象を持たれます。
なお、好印象を与えるためには以下のポイントを意識してください。
- 転職先での目標を伝える
- 転職先で活かせることや活かしたいことを伝える
- 体験談と交えて具体的に伝える
体験談は、自分自身しか持っていない武器だといっても過言ではありません。そのため、面接の中でも重要な志望の動機や理由と交えて伝えるとよいでしょう。
注意点としては、嘘はもちろんのこと、内容の誇張をすることは控えなければいけません。
面接官からよい印象を獲得しようと、理想的と思われそうな志望動機や理由を伝えてしまうケースがあります。しかし、志望動機や理由で嘘をついたり誇張したりすると、仮に採用となり働き始めた際に自分自身とのアンマッチにつながります。
例えば「環境問題を改善したいので御社へ入社したいと思っています」といった志望動機を述べたにもかかわらず、いざ入社してみると環境問題に関して無知であったというケースです。志望した会社に入社したいために、志望動機や理由を偽りたい気持ちを持つこともあるでしょう。
しかし、後々トラブルに発展する恐れがあるため、志望動機や志望理由は嘘偽りなく自分の思いを正直に伝えましょう。
2.自己紹介と自己PRの違い
自己紹介は、自分の簡潔なプロフィールを相手に伝えることを指します。名前や前職、学歴といった、転職者の誰もが持ち得る情報を伝えます。
「自分自身がどのような人間であるか」を確認してもらうための時間となるため、詳しく話す必要はありません。逆に、ここで時間を費やしてしまうと、後の自己PRに時間を割けなくなってしまうため注意が必要です。
一方、自己PRとは自分の強みや特色・個性を相手へアピールすることをいいます。自分自身しか持ち得ない情報を伝えることで、他の転職者との差別化が可能です。そのため、誰もが持っているようなスキルや誰もが経験するようなエピソードを話すことは少々もったいないでしょう。
また、面接官が転職志望者を評価する際に参考にするのが自己PRです。面接対策をする際はアピールに力を入れることをおすすめします。
自己紹介と自己PRは、文字だけではその違いが分かりづらく、面接対策をする際に困惑するかもしれません。しかし、先述したように自己紹介と自己PRには明確な違いがあります。この2つの違いについて理解していないと、適切な面接対策ができないので注意しましょう。
3.転職面接の自己紹介でよくあるNG例
次は、転職面接の自己紹介でよくあるNG例を確認していきましょう。
- うまく回答できなかったときに言い訳してしまう
- 面接マナーや敬語でのミス
- 緊張で目線が下がったり、ボソボソ話したりする
- 内容がまとまらずダラダラと話す
発言の内容はよかったものの、NG行為をしてしまったために、不合格になってしまったというケースも少なくありません。そのような事故を未然に防ぐためにも、これから紹介するNG例をしっかりと把握することが重要です。
うまく回答できなかったときに言い訳してしまう
面接の場では、面接官が複数いる場合があるため、「囲まれている」と感じ緊張してしまうことがあります。そのため、予想外の質問をされるといったイレギュラーな事態が発生すると、納得のいく回答ができないこともあるでしょう。
転職の面接では自分の人生がかかっているため、なるべく完璧な回答をしたいと考えるでしょう。そのため緊張で納得のいかない回答をしてしまった場合、言い訳をしてでも訂正しようとするかもしれません。
しかし、面接中の言い訳は控えてください。理由は、言い訳をしたことが判明すると印象が悪くなるためです。
面接官は、「応募者が自社で働くのにふさわしいか」を見極めているので、正しい情報だけを求めています。それにもかかわらず応募者から嘘の情報を伝えられると、正確な判断が困難となり、面接官の気分を害してしまう恐れがあります。
この理由から、たとえ面接中に納得のいく返答ができなくても言い訳をせずに、素直に受け入れるようにすることが大切です。
面接マナーや敬語でのミス
面接中にマナー違反をしてしまったり、不自然な敬語を使ってしまったりした際に、非を認めずに面接を続けることもNGとなります。理由としては以下の内容が挙げられます。
- 社会人としてふさわしくないと判断される
- 相手に対して失礼
しかしながら、マナー違反や不自然な敬語は、目立たない程度であればそれほど問題ではありません。そのため、以下のような面接官からの評価に悪影響を及ぼすマナー違反や不自然な敬語にさえ気を付けていれば、合否に大きく関わることはないでしょう。
- 遅刻をして謝罪をしない
- 服装が大きく乱れている
- 面接官の目を見ない
ただし、面接官からの印象をよりよくするためには、細やかなマナーや敬語にも注意する必要があります。そのため、面接に挑む際は以下のポイントについて押さえておきましょう。
- ドアは静かに閉める
- ノックの数は3回
- 促されてから着席する
- 相手の話を遮らない
- はっきりと喋る
緊張で目線が下がったり、ボソボソ話したりする
面接中に目線が落ちる、ボソボソと話してしまうのもNGです。
理由としては以下が挙げられます。
- 自信がなさそうに見える
- 話を聞いていないと思われる
- 何を話しているのか聞き取れない
- コミュニケーション能力がないと思われる
上記から面接中は面接官の目を見て話すべきだといえます。しかし、相手の目を凝視し続けてしまうと印象を悪く持たれる場合があります。解決策としては、それぞれの面接官の目を順番に見ることです。
面接官は複数人いるケースが多いので、それぞれに目線を配れば一人を凝視することがなくなります。面接官が一人しかいない場合は、目ではなく顔を見るようにしましょう。面接官の顔を見ることで、面接官からの目線を少し緩和させることができます。
また、ボソボソとした声の解決策は顔を上げて話し、自分の発言に自信を持つことが重要です。顔を上げることで喉が開いて声が出しやすくなります。さらに、自分の意見に自信を持つことで自然と声が大きくなるはずです。
緊張するかもしれませんが、自分の評価をよくするためにも自信を持つようにしましょう。
内容がまとまらずダラダラと話す
面接にて、話したいことの内容がまとまらずダラダラと話す行為も以下の理由によりNGです。
- 何を伝えたいのか分からない
- 会話が一方的になる
- 言語能力やコミュニケーション能力がないと思われる
- 面接の時間を削ってしまう
面接の最中は、言いたいことをまとめる時間がとれません。そのため、話が冗長になってしまったり、伝えたいことを言い忘れたため後からその話題について触れてしまったりする場合があります。面接官は、そのようなダラダラとした発言を嫌う傾向にあります。
面接官の中には、転職志望者の発言から質問を考える人もいます。その際、転職志望者がダラダラと要点の見えない発言をしてしまうと、質問が思い浮かばず印象が悪くなってしまうかもしれません。
また、ダラダラと話すということは、転職志望者の発言が面接の大半の時間を占めていることになります。その分、面接官からの質問も少なくなるので、正しい評価をしてもらえない恐れがあります。
解決策は、結論や主張から先に述べることです。体験談から話し始めると、話が長くなった際に結論や主張を忘れてしまいます。そのため、発言が長くなりそうだと感じた場合は、先に結論を述べて次に理由や具体例を述べるようにしましょう。
4.まとめ
今回は転職面接の自己紹介において気を付けるべきポイントをご紹介しました。自身のことをより魅力的に伝えられるよう、しっかり準備をして臨みましょう。
話す内容から言葉遣い、所作など、普段は意識しないことを求められるため、いくら準備をしても緊張してしまうこともあるでしょう。自分一人での準備では不安な場合は、転職のサポートをしてくれるサービスやプロに依頼をし、事前準備の段階からアドバイスをもらうことをおすすめします。
「事前準備のときからサポートをしてほしい」とお考えの方は、ぜひ転職のプロへのサポート依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
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